胃カメラ(上部内視鏡)
当院の胃カメラの特徴
鼻からの内視鏡検査(経鼻内視鏡検査)
胃カメラには口から挿入する方法(経口内視鏡)と、鼻から挿入する方法(経鼻内視鏡)があります。経口内視鏡は直径が約10mmで、経鼻内視鏡は先端径が約5.4mmです。
内視鏡で苦しいのは舌の奥(舌根)にカメラが触れ嘔吐反射(吐き気)が誘発されるのが原因です。よって、経鼻内視鏡(舌根に触れないルートからの挿入)の方が苦痛が少ないとされています。
また、鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)は会話しながら検査ができますので、患者様と対話し状態を確認しながら検査が可能です。
最新の機器
以前は経鼻内視鏡は画像解像度も悪く光源も弱いため病変の見落としが多いとされていました。しかし、近年の技術の進歩により経鼻内視鏡も経口内視鏡に匹敵するものへと進化しています。
当院ではオリンパス社製の最新の機器(GIF-XP290N)を用い、必要に応じてNarrow Band Imaging(NBI、微細な病変部を見やすくする技術)や色素散布法を併用することによって見落としのない検査を提供いたします。
胃カメラ(上部内視鏡)検査の流れ
※鎮静剤使用について
ご希望のある患者様には、十分にご相談させて頂いた上で、呼吸管理(酸素飽和度測定)のもと、点滴にて適切な鎮静剤を使用いたします。
なお、鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
検査当日の注意点(ご自宅にて)
■ 検査を午前中に受けられる方は朝食を、午後に受けられる方は昼食を抜くようにお願いいたします。
■ 水以外の飲み物はお飲みにならないようご注意ください。
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ご来院
STEP 1
■ まず検査の前に胃の中をきれいにする消泡剤(白い液体の薬)を飲みます。
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STEP 2
■ 鼻の通りをよくする薬(血管収縮剤)を両方の鼻腔に噴霧します。
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STEP 3
■ 数回に分けて鼻腔に麻酔をします。
※ご希望に応じて呼吸管理(酸素飽和度測定)のもと、点滴にて適切な鎮静剤を使用することも可能です。
※鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
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STEP 4
■ ベッドの上に左側を下にして横になります。
■ 胃の運動を止める薬を注射します。
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STEP 5
■ 内視鏡を鼻から挿入します。力を抜いて楽にしてください。
■ 口は自由に動かせますので、検査中にも医師と会話ができます。患者様の状態を確認しながら検査をすすめていきます。
※患者様に十分にご相談させて頂いた上で、鼻から挿入(経鼻内視鏡)するか口から挿入(経口内視鏡)するかを選択させていただきます。
※鼻からの挿入(経鼻内視鏡)をご希望された場合でも、鼻腔が狭く内視鏡挿入により痛みや鼻出血の恐れがあると判断した場合は経口からの挿入にて施行させていただきます。
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STEP 6
■ モニターでお腹の中をすみずみまで観察し、異常がないかチェックします。
■ 検査は5~15分程度で終了します。
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STEP 7
■ これで検査は終了です。
■ 鎮静剤を使用された方は30分~1時間ほどお休みいただきます。
■ 結果説明の準備が整うまで待合室で少々お待ちください。
■ ご気分が悪い場合にはすぐにお申し出ください。
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STEP 8
■ 検査時に撮影した画像を見ながら検査の結果をお伝えします。
※組織採取を行った場合は、後日検査結果をご説明することがあります。
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ご帰宅
検査後の注意点
■ 鼻は強くかまないようにしましょう。
■ 鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
■ 飲食は検査終了の30分~1時間後から可能です。
■ 激しい運動は避けてください。
■ お風呂は湯船は避け、シャワー程度にしましょう。
※組織採取を行った場合は、2~3日は刺激のある食事、飲酒、コーヒーなどは避けるようにしましょう。
大腸カメラ(下部内視鏡)
当院の大腸カメラの特徴
痛みを軽減する細くしなやかなカメラ
大腸は約1.5mあり、直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸に区分されます。この中でも特に、S状結腸・横行結腸が固定されておらずお腹の中で自由に動いてしまうため、大腸カメラは胃カメラ以上に技術的に難しいとされています。
腸の折れ曲がったところ(湾曲部)や狭いところにカメラが入ろうとすると、大腸の壁にカメラがぶつかってしまいます。これが痛みや不快感の原因となります。
これらを解決するために、当院では従来型の13.2mmよりも細い11.7mmと9.2mmのカメラを採用し、痩せ型の女性や、おなかの手術後の癒着のある方でも楽にカメラが受けられるようになりました。また、湾曲部などに連動して自動でしなる機構により、患者様の苦痛をできるだけ軽減するよう努めています。
炭酸ガス使用でお腹が張らない
大腸カメラの検査時に痛みを感じる原因のもう一つに、不必要に腸に空気を入れられることが挙げられます。従来は観察しやすいように大腸を空気で膨らませて検査していましたが、空気の入れすぎにより腸が過伸展(伸ばされること)し、痛みや不快感を感じるのです。
よって、当院では、腸管内への吸収が空気より150倍速い炭酸ガス(CO2)と内視鏡から水を流し込む機能(副送水機能)を用い、可能な限り無送気でオリンパス社製の最新機器(PCF-H290ZI)を用いて挿入し、盲腸まで大腸全体をくまなく検査致します。
ポリープの日帰り手術
検査中にポリープを発見した場合は、Narrow Band Imaging(NBI)を用い病変を80倍の光学ズームで観察し、その場で切除可能と判断した場合はポリープを切除します。
※大きさや形に関係なく内視鏡切除が難しいと判断した場合は速やかに関連病院へご紹介させて頂きます。
広い視野
従来より30°広い170°の広視野角により、観察できる範囲が広がりました。これにより死角にある病変の発見率も格段に向上しました。
大腸カメラ(下部内視鏡)検査の流れ
※鎮静剤使用について
ご希望のある患者様には、十分にご相談させて頂いた上で、呼吸管理(酸素飽和度測定)のもと、点滴にて適切な鎮静剤を使用いたします。
なお、鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
検査前日の注意点(ご自宅にて)
■ 夕食は午後5時頃まで、消化のよいものを少なめに。
■ 早めの就寝を心がけましょう。
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検査当日の注意点(ご自宅にて)
■ 検査当日は食事、水以外の飲み物、たばこ、薬等は禁止です。
■ 検査時に検査着に着替えていただきますので、着替えやすい服装でお越しください。
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ご来院
STEP 1
■ 大腸の中をきれいにする下剤を飲んでいただきます。
■ 何度かトイレに通って腸の中を空にします。
※新しい下剤(前処置薬)ピコプレップを導入いたしました。
従来の下剤と比較して味も改善され、内服量も少なくなりました。
(下剤自体の内服量は合計300mlですが、その他に以下のいずれかの水分摂取が必要です)
■ お茶(温かいもの/冷たいもの)
■ スポーツドリンク (ポカリスエット・アクエリアスなど)
■ 具のない透明なスープ(コンソメスープなど)
■ 透明なリンゴジュース 等
■ 透明な色の炭酸飲料
■ 水
■ その他、コップに移して底が透けて見える飲み物
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STEP 2
■ 検査着に着替えます。
大腸カメラ用のズボン型検査着です。おしり部分に切れ込みがあり、おしりを出さなくても検査ができるようになっています。
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STEP 3
■ ベッドに横たわったら力を抜いてラクにします。
■ 場合によっては腸の緊張をやわらげる薬を注射します。
※ご希望に応じて呼吸管理(酸素飽和度測定)のもと、点滴にて適切な鎮静剤を使用することも可能です。
※鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
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STEP 4
■ 肛門から内視鏡を挿入します。
■ 力を抜いてラクにしてください。
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STEP 5
■ モニターで腸の中をすみずみまで観察し、異常がないかチェックします。
■ 検査は数十分で終了します。
※ポリープを発見し、切除可能と判断した場合は、その場で切除します。
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STEP 6
■ これで検査は終了です。
■ 横になって少し休みます。
■ ご気分が悪い場合にはすぐにお申し出ください。
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STEP 7
■ 検査時に撮影した画像を見ながら検査の結果をお伝えします。
※組織採取を行った場合は、後日検査結果をご説明することがあります。
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ご帰宅
検査後の注意点
■ おなかが張ってくるので、オナラをどんどん出してください。
■ 鎮静剤を使用した場合は、当日の自転車・車・バイク等の運転はできませんのでご注意ください。
■ 飲食は1時間後から可能です。
■ 激しい運動は避けてください。
■ お風呂は湯船を避け、シャワー程度にしましょう。
■ 便に少量の血が混じる場合がありますが異常ではありませんのでご安心ください。